
こんにちは、総合型選抜専門塾「ブレイクスルー」塾長の高橋です。
大学受験の「時事問題対策」、何から手をつけていいか分からず、焦りや不安を感じていませんか?周りの友達が難しいニュースについて話しているのを聞くと、「自分は全然知らない…」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、安心してください。実は、大学側が評価しているのはニュースの知識量ではなく、一つの出来事に対して「あなた自身がどう考えたか」という思考のプロセスそのものです。
この記事は、単に出題されそうなトピックを挙げるだけの対策記事ではありません。どんなテーマにも応用できる、ニュースの事実を「合格を勝ち取る意見」に変えるための思考法を、具体的ステップで伝授する唯一のガイドです。
この記事を読み終える頃、あなたはこうなっているはずです。
- もう、やみくもな情報収集で時間を無駄にしません。
- 小論文で評価される「論理的な意見」の作り方が分かります。
- 他の受験生と差がつく、独自の視点を持つヒントが得られます。
それでは、一緒に「思考のトレーニング」を始めていきましょう。
なぜ、ただニュースを読むだけではダメなのか?大学が本当に見ている「評価の観点」
まず最初に、最も重要な心構えについてお話しします。それは、「時事問題対策=ニュースの暗記」という考え方を捨てることです。なぜなら、大学は「物知り博士」が欲しいわけではないからです。
考えてみてください。大学は、入学後に専門分野を主体的に探求してくれる学生を求めています。そのため、入試では「知識の量」よりも、未知の課題に直面したときに「自分の頭で考え、答えを導き出せる力」、つまり思考力を見ています。時事問題に関する出題は、その思考力を測るための絶好の材料なのです。
ただニュースを読んで「〇〇という問題が起きています」と説明できるだけでは、「あなたは、その問題についてどう考えますか?」という大学からの問いに答えたことにはなりません。大切なのは、事実の先にある「あなた自身の分析と意見」なのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「何が出題されるか?」と情報収集に走る前に、まずは「大学はなぜ、それを問うのか?」という出題者の意図を考えてみてください。
なぜなら、この視点を持つだけで、対策の質が劇的に変わるからです。「先生、今年の入試では何が出ますか?」と毎年必ず聞かれますが、その質問の裏には「効率よく対策して、時間を無駄にしたくない」という切実な願いがあることを私は知っています。だからこそ、どんなテーマにも応用できる「考え方の型」を身につけることが、合格への一番の近道なのです。
合格を決める思考の型!「事実→分析→意見」3ステップフレームワーク
「自分の意見と言われても、どう作ればいいか分からない…」という声が聞こえてきそうです。大丈夫。どんなに複雑なニュースでも、これから紹介する「3ステップ思考フレームワーク」で分解すれば、誰でも論理的な意見を組み立てることができます。
このフレームワークは、私が15年間で500人以上の受験生に教えてきた、思考の「型」です。ぜひ、あなたの武器にしてください。
🎨 デザイナー向け指示書:インフォグラフィック
件名: 「事実→分析→意見」3ステップ思考フレームワークの図解
目的: 読者が、ニュースを自分の意見に変えるための思考プロセスを直感的に理解できるようにする。
構成要素:
1. タイトル: 合格を決める思考の型!3ステップフレームワーク
2. ステップ1 (土台): 事実 (What) - 何が起きている?
- テキスト: 客観的な情報を正確に把握する
3. ステップ2 (柱): 分析 (Why/How) - なぜ?どうして?
- テキスト: 原因・背景・影響を多角的に掘り下げる
4. ステップ3 (頂点): 意見 (So What?) - だから何?どうすべき?
- テキスト: 分析を基に自分の主張と提案を構築する
デザインの方向性: シンプルで分かりやすいピラミッド構造。ステップ1を土台、ステップ3を頂点に配置。各ステップのアイコン(例:虫眼鏡、歯車、旗)を添え、親しみやすいフラットデザインでお願いします。
参考altテキスト: 思考の3ステップフレームワーク。土台が「事実」、柱が「分析」、頂点が「意見」と描かれたピラミッド図。
この3ステップを、具体的な例で見ていきましょう。例えば、「グローバル化」というテーマについて考えるとき、ただ「国際交流は大切だ」と述べるだけでは不十分です。
まずステップ1「事実」として、客観的なデータを押さえます。
日本の輸出入総額は、2003年の約93兆円から2023年には約216兆円へと、この20年で2倍以上に増加しています。
出典: 貿易統計 - 財務省
次にステップ2「分析」です。このデータから何が言えるでしょうか?
「なぜ、これほど貿易が増えたのか?」「この繋がりは、私たちの生活にどんな影響を与えているのか?」と考えてみましょう。すると、「日本経済は海外との関係なしには成り立たないほど、相互依存が深まっている」という分析ができます。
そして最後にステップ3「意見」です。
「だから何?私たちはどうすべきか?」と問いを立てます。ここから、「しかし、経済的な繋がりの深化は、文化的な摩擦や国際紛争のリスクも増大させる。私たちは、この現実とどう向き合い、異なる価値観を持つ人々と協力していくべきか」という、あなた自身の問題意識に基づいた、深い「問い」と「意見」が生まれるのです。
このように、事実から出発し、分析を経て、自分なりの意見を構築する。このプロセスこそが、大学が評価する「思考力」の正体です。
【実践編】明日からできる!ネタ探しと意見を深めるための3つのアクション
フレームワークを理解したら、次は実践です。日々の生活の中で、この「思考の体力」を鍛えるための具体的なアクションを3つ紹介します。
1. 「自分ごと」としてニュースに触れる
やみくもにニュースを追うのはやめましょう。まずは、あなたが志望する国際関係学部と関連の深いテーマ(例:地域紛争、環境問題、異文化理解など)や、あなた自身が純粋に「なぜだろう?」と感じるニュースに絞るのが効率的です。自分が心から関心を持てるテーマこそ、深く掘り下げることができます。
2. 「3ステップ思考ノート」を作る
ノートを見開きで使い、左ページにニュースの「事実(What)」を書き出します。そして右ページを上下に分け、上段にその事実に対する「分析(Why/How)」、下段にあなた自身の「意見(So What?)」を書くのです。このフォーマットを続けるだけで、思考のプロセスが自然と身につきます。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 小論文で最も避けたいのは、「ニュースの要約」と「根拠のない感想」だけで答案を終えてしまうことです。
なぜなら、多くの受験生がこの「思考のジャンプ」をしてしまい、評価を大きく下げているからです。例えば、「〇〇という紛争が起きていて、私は悲しいと思いました」という答案。気持ちは分かりますが、これでは分析がありません。「なぜ、その紛争が起きたのか?」「解決を阻んでいる構造的な問題は何か?」まで踏み込んで初めて、あなたの意見は「感想」から「主張」へと進化します。この一歩が、合否を分けるのです。
3. 信頼できる情報源にアクセスする
情報の質は、思考の質に直結します。以下の情報源を参考に、日々の情報収集に役立ててください。
- NHK NEWS WEB: 客観的でバランスの取れた報道。まずはここで全体像を掴むのがおすすめです。
- 新聞社のウェブサイト(朝日、読売、日経など): 社説や解説記事は、一つのテーマを多角的に分析する際の参考になります。
- 政府・省庁のウェブサイト(外務省、環境省など): 統計データや白書など、一次情報へのアクセスは、意見の説得力を格段に高めます。
【FAQ】まだ残る小さな疑問、すべて解消します
Q1. 理系学部志望ですが、時事問題の対策は必要ですか?
A1. はい、必要だと考えてください。理系でも面接で社会への関心を問われることは多いですし、特に生命倫理や環境問題、AI技術の社会的影響など、あなたの専門分野と社会の接点について問われる可能性は十分にあります。
Q2. 対策はいつから始めるのがベストですか?
A2. 「今」です。思考力を鍛えるのには時間がかかります。高校3年生の夏から始めるのが一つの目安ですが、早ければ早いほど有利です。毎日30分でも良いので、ニュースに触れて「考える習慣」をつけましょう。
Q3. 新聞を購読した方が良いですか?
A3. もちろん購読できれば理想的ですが、必須ではありません。今はウェブサイトやアプリで質の高い記事を十分に読めます。大切なのは媒体ではなく、読んだニュースに対して自分の頭で考える時間を持つことです。
まとめ:あなたの「問い」が、未来を切り拓く
最後に、この記事の要点をもう一度確認しましょう。
- 大学が見ているのは「知識量」より「思考のプロセス」
- どんなニュースも「事実→分析→意見」の3ステップで分解しよう
- 大切なのは、自分の問題意識と結びつけて考えること
あなたはもう、時事問題という大海原で迷うことはありません。今日手に入れた「羅針盤」を手に、自信を持ってあなたの「探求の旅」を始めてください。ニュースを見て、心の中に生まれた小さな「なぜ?」という問い。その問いこそが、あなたの知性を磨き、未来を切り拓く力になります。
心から応援しています!

